個性あふれる「ディストピア」
11台の「10ベストカー」の残りの4台が「ディストピア」な高出力エンジン車となる。シビックtypeR、フェアレディZ、CX-60、レンジローバーはいずれもブランドのフラッグシップを務める「顔」的存在で、当然ながら注目度も非常に高い。BEVやストロングHVと比べるとどう評価されるべきだろうか!?
メルセデス、BMW、アウディはBEVによって新しいフラッグシップモデルを確立し時代の転換を意識している。それに対してMAZDAやランドローバーだけでなく、ホンダや日産もまだまだ「古典的」なメーカー群に過ぎない。過去の栄光がブランドを形作っているのだから簡単には割り切れない部分はある。
そもそもBEVは正義なのか?
数年前までは、エンジン車からBEVへの移行は不回避だと考えられていたが、コロナとウクライナ侵攻によって状況は混沌としてきている。水力発電で50%以上の電力が賄える上に、人口も500万人ほどで、国民の所得も非常に高いノルウェーであってもEV普及率50%(PHEV込み)ですでに問題が噴出しているとか。
中国でもかなりの勢いでBEV化が進んでいる。さすがはコロナ対策や安全保障において国際社会に一党独裁国家の優位を示しただけはある。BEV化へ強権的に政策推進できる強みはある。中国のBEVは株式市場に一つの指標を見せた。限界説が囁かれる民主主義と資本主義経済のルール下で、20世紀的にエンジン車を売り続ける企業(トヨタ)より、BEVに集中して「政商」の意味合いを強くする企業(テスラ)の方が株式市場で評価されるのはごくごく自然なことだ。