クルマとしては見るべきものが・・・
アルトとサクラは、パワーユニットが決定的に違うだけで、エンジンとBEVの選択を求められているだけだ。規格でガチガチに縛られている軽自動車では質感に大きな差は出せない。完全に日本市場の天下を獲ったホンダN-BOXが2世代共に受賞を逃しているのに、ここにきてこのどちらかが大賞に選ばれるのは極めて不自然でしかない。
BMW・iXとヒョンデIONIQ5は、テスラが敷いたレールの上を後から走っているだけで、良くも悪くも現代の低リスクなクルマ作りを象徴している。某巨大日本メーカーの商品開発手法が、ドイツや韓国の企業にもしっかりと受け継がれている。先行するテスラを超える何かを仕掛ける様子もない。
使い道が不明
クラウンクロスオーバーとエクストレイルは、「電動化」で思考が止まったクルマなのだろうか!?冒頭に書いたように部分最適化という意味では高いレベルにあるけども、長距離を快適かつスポーティに走れるよう進化してきたSUVの「定義」を根底からぶっ壊してもいる。日本仕様はどちらもTHSとe-POWERのみで、グランドツーリングには向かないユニットしか搭載されていない。なんじゃ?こりゃ?「街乗りに特化したSUV」グローバルサイズの車幅で街中の歩行者を避け、バブル期からある狭い駐車場に停車させる技術の高さを競うクルマなのか?
ちょっと過激な書き方かもしれないが、業界全体が「他社のコピー」や「既存技術の使い回し」で誤魔化すようなクルマ作りしかしていない中で、CX-60とレンジローバーの理想の高さは際立っている。そりゃユーザーも集まるだろうし、高い金を払ってやろうという気にもなるだろう。MAZDAとランドローバーにはいつまでも「正義なクルマ作り」を期待したいものだ。