オリジナル設計のこだわり
世界的にも機械式時計の「完全一貫生産」を行なっているメーカー・工房は20くらいしかないらしいが、そのうちの1つが「オリエント」であり、有名ブランドと肩を並べる存在だ。その一方で業界再編&効率化も進んでいて、世界的にも有名なスウォッチグループ(ブレゲ、ブランパン、オメガ、ロンジン、ラドー、ティソ、ハミルトンなど)には、専属のムーブメントを提供するサプライヤーが存在する。なんだか様々なブランドに同じ部品が供給される仕組みはトヨタグループやVWグループみたいである。
「完全一貫生産」のブランドを束ねるリシュモン・グループは、ブランドの独自性を尊重していることもあって、傘下ブランドの成長が目覚ましい(ランゲ&ゾーネ、IWC、ジャガールクルト、ロジェデュプイ、パネライなど)。そんな機械式時計の業界で、「完全一貫生産」と「優れたデザイン」で存在感を保ってきたのが「オリエント」である。
シンクロ
昨今の機械式腕時計は「ムーブメント」の精度より「見た目」重視のマーケティングが流行っている(クォーツの精度には勝てない)。そんな中で突如としてオリエントは見事な逆張り戦略でムーブメントの進化を打ち出している。50年に渡って使われてきたムーブメントを、5万円台から買えるオリエントスター用に使っているが、数年前から10万円を軽く超えるモデルが次々と投入されている。進化したムーブメントで公表されている「日差」は、ロレックス、ブライトリング、ゼニスなど高性能ブランドのフラッグシップのレベルに近い。
MAZDAからCX-60が発売されるタイミングと前後して、いよいよ30万円を超えるオリエントスターが発売された。パワーリザーブが70時間となり、いよいよ世界最高の水準に到達した(繰り返しになるが機械式時計の精度なんて自己満)。CX-60がレンジローバーやマセラティ・レヴァンテなどに性能面で追いついた構図に似てる。