経済的なのか?
何よりも手頃な価格が魅力なBセグなのに、ディーゼル搭載によってCセグと同じくらいの価格にまで上昇する。ディーゼルに対するエコカー補助金も微々たるものでそれほどのインセンティブにはならない。トヨタ、日産、ホンダもその気になればディーゼルを調達できただろうけども、日本市場ではどう考えても勝算がないと判断したのだろう。
CX-5や3シリーズくらいのサイズならば、ガソリン車よりも大幅に燃費が良くなるし、日本では軽油価格も安いので「経済性が高い」というメリットがハッキリ受け取れる。しかしBセグだとガソリン車でも15km/Lくらいは余裕で走ってしまうので、ディーゼルのメリットは燃費ではなく、むしろ独特のトルク感によるドライブフィールになる。
テンションが上がるフィール
実際にMAZDA2・XDに乗ってみると、出足の鈍さこそ「MAZDAじゃないな・・・」とちょっとトーンダウンするものの、ちょっとした加速区間さえ用意されれば、日本メーカーの日本市場向け(ゴリゴリの日本車)では珍しい「非合法」なレベルのマシンであることに気づく。シャシーが強烈なトルクとせめぎ合うフィールは、2002年以前の日本車スポーツカーみたいな背徳感すらある。
まだ国土交通省ではなく運輸省だった、メーカーとズブズブでガバガバな時代の楽しいクルマに近い。「これはエコカーです」の一点張りで国土交通省を押し通したであろうMAZDAだけど、ディーゼルのMAZDA2は現行の1世代だけで終わってしまいそうだ。ビッグマイナーチェンジでグレードが一新されたが、「XDを買ってくれ!!」というメッセージがダダ漏れしている。ガソリン版のMT車にはパワーシートが付けられない。