日本メーカーもやればできる
2020年に発売されたGRヤリスはちょっとした驚きだった。日本のみならず欧州でも喝采を浴びたスポーティに全振りのBセグハイエンドモデルで1250kgの車体に272psの1.6L直3ターボが搭載された。アバルトやMINIのようにAセグBセグのハイパフォーマンスモデルはコアな人気を得ているが、欧州ブランドでしか開発されていなかった。
ホンダや日産が小型のハイスペックモデルを出さなくなって久しいけども、日本メーカーの開発には「何らか」のハードル(国土交通省)が存在するので作ることができないと思っていた。そんな事情を仄めかす開発者インタビューもあったと思う。GRヤリスが開発されていた頃と重なる「あの」政権下においては、某学園問題など、確かに超法規的な取り扱いがあらゆる方面で見られた。色々な批判はあるようだけども長期政権も悪いことばかりではない(あくまで憶測です)。
MAZDAが真似できない理由
フランスブランドが出していたルーテシアやプジョー208のハイエンドモデルが日本市場から消滅し、MINIも電動化が予告された。そんな中で、HVで勝負を賭けていたトヨタが純エンジンモデルでしか出せないスペック(軽量&ハイパワー)のBセグを出してきた。役所を丸め込んだかどうかはわからないけど、従来とは違う「ハミ出した」クルマが出てきたことは、あの社長だからこそ可能だったと思われる。
MAZDAは、WRCにも参戦していたフォードのターボ化戦略(エコブースト)に反発してグループから離脱した。それだけに留まらず、エンジン開発の幹部社員が著書で「ダウンサイジングターボは負荷が高い領域では逆効果」と主張するなど、MAZDA2をフォードやVW、GRヤリスの後追いのようにターボで高性能化して商品力をアップさせる道を自ら放棄した。