武骨なBセグ
2014年にデビューした現行の4代目デミオ(MAZDA2)は、欧州式のかなりマニアックな「Bセグ・ディーゼル」を日本市場に持ち込んだかなり尖った戦略モデルだった。日本のBセグはレンタカーなど法人需要も多く、比較的に価格が抑えられる1.0L〜1.5Lクラスの直3〜4のガソリンエンジンを主力に台数を積み重ねるのが定番であったが、高額になるディーゼルによっぽど自信があったのだろうか?
「Bセグ・ディーゼル」は、日本市場ではデミオ( MAZDA2)とMINIくらいしかない。「走りが楽しい」イメージを振りまいているこの2つのブランドだけと言うのがユーザーの所有欲を駆り立てる。中堅メーカーがトヨタ、日産、ホンダなど大手メーカーとは根本的に違うBセグであることを売りに、「趣味性」の高いBセグを目指す意図はよくわかる。結果としてBセグのメインユーザーである女性から敬遠されてトータルの販売台数こそ伸び悩んでいるそうだけど、それはむしろ「勲章」ですらある。
使い勝手は二の次
MINIもMAZDA2も現行モデルが10年近くになり、コンパクトカーにしては異例に長いモデルサイクルを迎えている。アクア、ヤリス、ノート、フィットがFMCでそれぞれに利便性・機能性を高めて「これ1台で十分!!」なモデルに進化しているが、この2台の基本設計は1年次改良でちょっとずつは変化しているけども、インパネやトリムの造形に新しさを求めないユーザー、つまりスポーツカー感覚のユーザー向けだと割り切っているのかもしれない。
MAZDAとBMWグループは日本市場にも一定のディーゼルシェアを打ち立てることに成功したが、CX-5や3シリーズといった中型モデルとの相性が良くヒットにつながった。これがBセグとなると、本体価格の上げ幅が顕著になり、チョイ乗りに向かないので、実用車として使うにはややハードルが上がるようで、販売比率は高くない。