デザイン部門の刷新
「クラウン」がトヨタのHPでも「新しいフラッグシップ」を目指したサブブランドとして堂々と紹介されている。第二弾モデルとなる「クラウン・スポーツ」のプロトモデルがメディア向けに公開された。見た目から判断するに「ポルシェ・マカン」「マセラティ・グレカーレ」「アルファロメオ・ステルヴィオ」のような、非日常なライフスタイルを追求するクーペSUVを目指したようだ。
トヨタもいよいよチーフデザイナー制となり、数年前からサイモン・ハンフリーズという執行役員が指揮を取っているらしい。確かにヤリスクロス、MIRAI、プリウスの登場で、トヨタのデザインテイストが明確に変わった。個性を存分に発揮できる統括責任者のようだ。ゴードン=ワーグナーのメルセデスや、モーレイ=カラム、ローレンス=ヴァンデンアッカー、前田育男の3世代で築き上げたMAZDAのような体制が機能している。
セダンじゃない理由
過去最高の37兆円の売上を誇る業界随一の巨大グループだけど、フットワークの軽さは素晴らしい。これからもメルセデスやMAZDAのような過剰なエモーショナル演出気味なデザインのクルマが、トヨタからどんどん出てくるのだろう。余計なことかもしれないが、現行スタイルが10年ほど続くメルセデスやMAZDAは、ブランドとして要求されるハードルが上がり過ぎてしまって、新型車を担当するデザイナーはさぞかしシンドイことだろう。
クラウンの名前がどーのこーの・・・なんて意見はトヨタからしてみたら、どーでもいい話だろう。FRではなくなり、日本市場専用モデルでもない。そもそもマカン、グレカーレ、ステルヴィオのライバル車といえる設計でもない。中身はハリアーやRAV4のようなファミリーSUVと変わらない。しかしセダンからSUVに変わるのはどう考えても必然だ。すでにマークXもプレミオもカムリも無くなったのだから、セダンのクラウンを作り続けてもステップアップするユーザーはどんどんいなくなる。
MAZDAファンには既視感しかないが・・・ https://t.co/ULDhkDoPgQ
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) May 2, 2023