MAZDAの美学?
もしMAZDAが、MAZDA3ベースでミニバン(プレマシー)を作り、トヨタ、ホンダ、日産と同じく価格を上昇させて、対応できないユーザーにはMAZDA2ベースのミニバンを売ったりしていたら、ブランドイメージはだいぶ変わったものになるだろう。ファンをやめる人が続出するかもしれない。ちょっと似たような状況だが、SUVではCX-5の後にCX-3を設定したことがあった。しかし実際はCX-3が買えるユーザーのほとんどはCX-5も手が届く価格設定がされており、車庫などの制限がないユーザーはCX-3を買いに来てCX-5を買っていくケースも多いそうだ。
トヨタ(日産、ホンダ)と、MAZDAでは、クルマへの考え方が180度違う。MAZDAを選ぶユーザーには、トヨタ(日産、ホンダ)のやり方が気に入らないという人も少なくないだろう。今のMAZDAで最高に素晴らしいと思えることの1つは、CX-3とCX-60が「同じ目線」で選べるという事実だ。192万円〜のCX-3と、299万円〜のCX-60には100万円ほどの差があるが、内容を考えれば誰もが納得できる「妥当」な価格差である。
ミニバンと安全性
ミニバンユーザーに言わせれば、195万円〜のシエンタと359万円〜のアルファードも「妥当」な価格差なのかもしれない。それでも3列シート車はボデーサイズから様々な思惑が生まれてしまう。リアハッチのスレスレに3列シートがやってくるBセグ3列ミニバンが、高速道路で後ろから突っ込まれたらひとたまりもないだろう。3列目、2列目の可動するシートが凶器のようにフロントシートまで襲ってきそうだ。
アルファードの人気の一端は、高速道路でも気兼ねなく使えるボリューム感にあるのだろう。そんなミニバンユーザーの安全性への危惧を逆手にとり「お金と命どちらが大切ですか?」と脅迫しつつ、ラージ&ミドルのミニバンの価格を上げていく。トヨタ(日産、ホンダ)に反論されそうだけど、日本仕様の3列ミニバンは北米では販売されておらず、IIHSの衝突安全基準などを参照にできない。そんな中で起きてしまったのがトヨタにもOEM車を供給するダイハツの不正だ。