トヨタで大丈夫なのか?
北米での販売が終了してしまったが、MAZDAでもっとも小さいSUVであるCX-3もIIHS「トップセーフティピック・プラス」(2021年IIHS)だった。北米MAZDAは2022年までロードスターを除く全モデルでこれを獲得している(他にはテスラとボルボだけ)。実際のところトヨタやレクサスのほとんどのモデルはこれが取れていない。つまりトヨタ&ダイハツによる衝突安全基準を軽視したクルマ作りの姿勢は、今さらに明らかになった訳ではない。
トヨタへOEM供給されるルーミーやライズでの不祥事により、トヨタ(ホンダ、日産)が狙ったミニバンの値上げ戦略はさらにネガティブなものになった。ヴォクシー、ノア、セレナ、ステップワゴンはぞれぞれ立派な車格があり、400万円を払う人もそれなりにいるだろうが、断念したユーザーの中には、安全面の懸念から格下ミニバンに移行する気になれず、新しいタイプのクルマを求める人もいるだろう。
情報を流し過ぎ問題
日本市場では軽自動車が約4割、普通車もランキングの上位はコンパクトカーとミニバンがほとんど占めていて、かろうじてプリウス、カローラ、ハリアーが販売力を活かして食い込んでいるくらいだ。トヨタの新型車が出れば、とりあえず島下泰久さんや山本シンヤさんなど契約された評論家が、動画メディアで取り上げて全力で案件ヨイショをする。クラウンもレクサスRXもレクサスLBXも「プラットフォームはほぼほぼ新開発です!!」と毎回同じように強調していて、ちょっと怖い。
カーメディアに余計なこと言わせるからなのだけど、トヨタの開発陣がプラットフォーム共通化に関して、相当に負い目を感じていると気づいてしまう。開発者が気にするのだから、コスト削減と引き換えに小さくないデメリットがあるのだろう。まあシャシーなどいちいち気にするユーザーは最初からトヨタなんて興味ないし、とりあえずはメルセデスやBMWの縦置き上級モデル、MAZDAのCX-60、アルファロメオのジュリアやステルヴィオなどを選ぶのだろう。