セダンの成功イメージが掴めない!?
この10年の間にもアルファロメオ・ジュリアやジャガーXEが登場し、FRサルーンのラインナップはある程度は維持されている。MAZDA開発陣が一目置いているであろうアルファロメオやジャガーが挑んだ結果、あまり芳しい結果が得られなかったことで、次期MAZDA6のイメージがまとまっていない可能性がある。アルファロメオ・ジュリアとマセラティ・ギブリの2サイズのサルーンをMAZDA6、MAZDA8として発売したいくらいだ。
2002年に登場したGGアテンザは、アルファロメオ156(1997年〜)の大成功を受けて企画され、見事に二匹目のドジョウを手に入れた。2016年にFRになって登場したアルファロメオ・ジュリアは大成功とまではいかなかったが、イタリア製のセダンが手頃な価格で買えるとあって反響は大きく、アルファロメオはアメリカ市場への参入を果たし、現在までブランドを存続させている。
日本とイタリアのものづくり
MAZDAとアルファロメオのスパイラルな関係は、ずっと前からこのブログで書いてきたことだ。日本とイタリアはG7で所得の少ない国のトップを争っている。日本で高級なスーツを買えば大体は日本製かイタリア製だ。人件費が高くはないから、スーツも、ロードバイクのクロモリフレームも、スポーツカーも日本とイタリアはどんどん内製する。多様な生産性を持つ国だからこそ物価が安定し、(名目)所得が暴騰することも少ないのかもしれない。
イタリア生産にこだわるアルファロメオと、FRシャシーモデルは日本生産に集中させているMAZDA。生産規模もかなり違うし単純に比較はできないけども、ミレニアム・グローバル化時代に経営が低迷し、10年くらい前にはブランド存続が危ぶまれていたくらいだ。しかし人々の心を揺さぶる楽しいクルマ作りだけを武器に、しぶとく生き延びて国内生産を維持してきた。EVシフトの混迷の中でこの2ブランドが「何か」をしてくれると信じている。