ユーザーが湧いてきた
直列6気筒ディーゼルに加えてパノラマサンルーフ、上質なレザーシートが標準装備された「CX-60XDエクスクルーシブモード」が443万円だそうだ。決して安くはないけども、ドライバー異常時対応システム(DEA)も選択できるのだから、必要不可欠な支出として十分に投資価値が見出せる金額である。SUV、ミニバンからコンパクトカー、軽自動車まで売り手市場の過激な値上げ合戦が繰り広げられ、日本車全体の魅力が大きく損なわれている中で、このクルマには別格の輝きがある。売れて当然だ。
443万円をそのまま中古車市場に投入すれば、レクサスLS、BMW7er、マセラティ・ギブリ、日産GT-Rなどなど大体の高級車量販モデルが比較的に良い状態で買えてしまう。しかし維持費まで考えると割と結論は早い。またセレナ、ヴォクシー、ステップワゴンなどのミドル級ミニバンの上級グレードでも新車価格帯が400万円を突破しつつある。今後もミニバンがファミリーカーの主流であり続けるだろうけども、ユーザーを圧迫するような価格上昇は、少なからずユーザーの流動性を招きそうだ。
商業主義の悪循環
ミニバンユーザーではないので、今時の新型ミニバンがどれほどユーザーの心をワクワクさせているのかわからないけども、知り合いに聞く限りだと、やはり異次元に価格が上がり過ぎでかなりシンドイと言っている。一方で数年前に中古で150万円くらいのヴォクシーを賢く手に入れた別の知り合いは、家族で出かけるこのクルマにどんな社外オプションをつけて快適装備を追加しようかと、あれこれ考えていて楽しそうである。買ったタイミングも抜群で、昨今の中古車の高騰を見て満足度はさらに高まっているらしい。
新型になってヴォクシーもステップワゴンも戦略的かつ巧妙に値上げを行っている。価格上昇についていけないユーザーには格下の3列ミニバンとなるシエンタやフリードが用意されている。日産もセレナのボトム価格を上げて、その下にノートベースのBセグ3列ミニバンを投入するらしい。400万円払えないユーザーはBセグミニバンへ行け・・・こんなメッセージをダダ漏れさせておいて、果たして企業イメージは良くなるのだろうか!?メーカーも必死なのはわかるけどさ。