ファンが逃げるやる気のなさ
日産は自動車業界最大手を狙うルノーグループの中核メーカーとしての立場にあり戦略が非常にドライに感じる。すでに20年が経過するスカイラインやフェアレディZのシャシーが更新されるという噂は少なく、生産を一括して担う栃木工場の生産ラインはBEVに明け渡しつつある。アリアとスカイラインの販売台数を比べると、すでにアリアが大きく上回っており、栃木を追い出されたエンジンFR車の生産工場が他に用意されるとは考えにくい。
スカイラインを生産していた東京都の村山工場が閉鎖され、横須賀の追浜工場でマーチと混流生産されていたフェアレディZと共に、栃木工場へ移管された。戦略的に電動化へのシフトを先行させている日産にとって、イメージリーダーとも言えるモデルが非電動のエンジンモデルなのは都合が悪い。EVシフトが大きく破綻でもしない限りは日産のFRのエンジン車は消えるのが既定路線なのだろう。
e-POWERはクルマではない
トヨタのように全方位戦略だと開き直るか、テスラやスズキのように徹底した選択と集中を突き進むか・・・そんな二者択一でしか語れないカーメディアみたいなことを言うつもりは毛頭ない。ルノーグループあるいは日産の公式の発表でも、状況を見て柔軟な戦略を構築していくとしている。e-POWERそのものが柔軟性から出てきたアイディアだけど、日本市場の屋台骨になっている。
全く長距離ドライブに向かないe-POWER・・・は語弊があるかもしれない。現実には日産から長距離ドライブを想起させるスカイラインe-POWERなんてものは発売されていない。ノートやキックスに観光道路で出会うことは比較的に少ない。これまでも何度も断定的な書き方をして恐縮だけど、e-POWERはモビリティ向けユニットであり、日産も長距離ドライブする人を相手にビジネスをするつもりはないのだろう。