確信犯だろ!!
先代モデルとなる3世代目のアクセラ(BM)では、ホイールベースは2700mmまで拡大された、そしてシャシーを再び一新したこともあって現行のMAZDA3では2725mmまで拡大している。この数字はMAZDA6の先代モデルとなる2代目アテンザ(GH)と同じである。MAZDA3に乗った時に尋常じゃない心地よさを感じたが、どうやらそれは偶然ではないらしい。
MAZDAが「究極の高速ツアラー」として売り出した先代GHアテンザと4つのタイヤの位置がほぼ一致する。18インチタイヤを履いたMAZDA3は、16インチのGHアテンザよりも路面からの突き上げが大きいのは致し方ないだろう。GHアテンザとMAZDA3では、サスペンション形式が前後で異なる。前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクを備えるGHアテンザの方が微小な舵角コントロールが可能で、これは結構差がある。
ハンドリングに全振り
前ストラット、後トーションビームのMAZDA3も、GHアテンザより100kg軽い恩恵があり、ハンドリングの際に左右の前輪に荷重がかかるタイミングがとてもよくわかる。操舵してからどちらかの前輪に荷重がかかりクルマが転回していく一連のモーションが感覚的にわかりやすいところは、発売当初からMAZDAの開発者が強調していたが、1300kg程度に抑えられた車重だとその素直でリニアなフィールをしっかりと感じる。ロードバイク(自転車)のような手の中の操舵感が心地よい。
もしMAZDAが変態企業を自認して強烈なインパクトを追い求めるならば、現行のMAZDA3に、GHアテンザと同じ形式のサスペンションを前後に装備したグレードを追加すると面白いかもしれない。これはどこのメーカーもやっていないことだ(先代のプジョー508くらいか)。全長を4735mmまで拡大したセダンボデーを用意すれば、ほぼGHアテンザの復活となりそうだ。ショートストロークのMZRエンジンと旧世代の5速ATの個性までは再現できないだろうけど。