帰ってきた・・・
GHアテンザもMAZDA3もそれぞれに感動的に乗り味が良かった。ちょっと語弊があるかもしれないが、現行のGJアテンザ(MAZDA6)やCX-5などは、この2台に比べれば「MAZDA車ですらない」くらいだ。お前が勝手に定義するな・・・ってことはよくわかっているけども、MAZDA6とCX-5(初代&二代目)は、ブランドのこだわりを全て放り出して、北米や中国市場にハマりそうなパッケージへ「置き」に行っている。
国内市場ならトヨタ、グローバル市場なら日産のサイジングが正解なのだろう。MAZDAは完全グローバルだから、ティアナやエクストレイルの世界的ヒットを前提に、GJアテンザ、CX-5を設計し、新たなMAZDAの基幹モデルにしようとした。デザイナーの前田育男さんが良い仕事をしたとは思うが、メカとしてMAZDAが目指すところとは違っている。その修正から生まれたのがCX-60とMAZDA3(現行)と考えるのが自然だ。
苦悩の果てに
北米ではMAZDA3に2.5Lターボが搭載されたスポーツグレードが展開されている。ブランドの意図がユーザーに広く伝わっているようには思えないが、MAZDA3が狙ったサイズ感を考えれば、納得がゆく選択だと思う。GHアテンザのサイズを使うことで、CX-5以前のスリリングなMAZDAが蘇るというストーリーなのだろう。このブランドの方向性転換は、普及モデルのMAZDA3が真っ当に評価されれば上手くいきそうだ。
MAZDA3は、カローラではない。ファミリーカーではなく、ドライビングカーとしての進化を躊躇なく選んでいる。MAZDA3とCX-30の一括企画による開発が狙ったのは、ドライビングカーとファミリーカーを分裂させることであり、ホイールベースが大きく異なっている。MAZDA3は2725mm、CX-30は2655mm。一方でカローラは、セダン、ツーリング、スポーツ、クロス(SUV)の4車種ともに2640mmで統一されている。