ヒット車の理由
7代目ゴルフGTIと同時期に乗った初代ヴェゼル・ハイブリッドの方が、90年代の小型の輸入車のイメージに近かったかもしれない。スポーツモードが搭載されDCTのダイレクト感があり、Vテックがしっかり唸る。ハイブリッドは静かに走るユニットだと思っていたが、エンジン音もロードノイズもかなりなヤンチャ仕様で、2代目ゴルフや90年代ルノーのエンジンが壊れるのでは!?くらいに唸る乗り味が思い起こされた。
2013年の同期生である初代ヴェゼルと7代目ゴルフの本体価格は200〜250万円の価格帯で被っていた。フラットな乗り味のゴルフと、元気に走るヴェゼルのどちらも市場から支持を得てしっかり売れた。この当時シビックの標準モデルは日本で発売されておらず、typeRのみイギリスから逆輸入されていた。2017年に新世代のHEVシステムとともに日本にシビックが凱旋するも、高級グランドツアラーの佇まいに変わり、新規顧客集めは大変そうだ。
シビックの健闘
日本復帰後のシビックは、街中で全然見ないということはない、そこそこの頻度で走っている。月1000台くらいは売れていたのだから、どっかのAJAJライターが「シビックが売れたら丸坊主になる!!」とか言ってたけど、そんな連中の予想よりは遥かに良い結果だったと思う。決して安くない価格で、あまり冒険したわけではないデザイン、2ペダルはCVT、ガソリンモデルは1.5Lターボのみという制約こそあったが、MTのCセグ・グランドツアラーが欲しい人には存分に刺さる内容だったと思う。
それでも日本市場において絶対的にMTにこだわるユーザーの数には限りがあって、MT車全て合わせても年間5万台くらいしか売れない。MAZDA2、MAZDA3、ヤリス、C-HRなどスポーツカー以外でもまだまだ選択肢が複数ある。その中でシビックが最も高価格な部類であることを考えると、十分な販売台数だったと思うし、ホンダのMTのフィールの良さや、Vテックターボの価値は理解されている。