スカイラインの新たな商機
ブルジョワ御用達になってしまったGT-Rに変わって、より幅広いユーザーに楽しんでもらえるハイエンドスポーツカーとして、スカイライン400Rと現行フェアレディZがラインナップされている。いうまでもないけども、本体価格600万円以下で400ps以上を出すクルマは日本市場ではとりあえず他に例はない。中古車市場では新品未使用状態のファレディZの6MTモデルが700万円ほどで売られている。
現状のスカイラインの販売は400Rが35%、NISMOが30%を占めていて、およそ3分の2を400psオーバーのグレードが占めている。かつては200ps級の直4ターボで手軽なグランドツアラーとして販売されていたが、今ではすっかりハイエンドスポーツの車種に変わった。日産もハイエンドスポーツカーのジャンルにおいてスカイライン、フェアレディZには存在意義があると判断しているようだ。
日産とBMW
997ターボをターゲットにしたR35GT-Rでブランディングを行い、ベース車のスカイライン、スカイラインクーペをメルセデスと肩を並べる高級車に押し上げた手法は、1960年代の後半に発売された「2002」のアルピナチューンが、当時の930を超える性能を誇り、そこで得た知名度を使って、メルセデスと並ぶ高級車ブランドに駆け上がった80年代のBMWの手法に似ている。
日本でもレクサスのような高級車専門店舗を作ることなく、既存の日産ディーラーでベース価格500万円以上のスカイラインやフェアレディZがコンスタントに売れている。多額の投資を行なって高級車ビジネスを維持しているレクサスから見れば、羨ましい状況かもしれない。