トヨタが方針転換か!?
トヨタが新型エンジンの開発を発表した。1.5Lと2.0Lの直4ターボにマイルドハイブリッドを組み合わせた欧州ブランド方式をトヨタが採用した。デザインの幅を広げるため、エンジンのサイズを小型化に取り組み、ショートストローク化で高回転化して最高出力を伸ばすところが欧州ブランドとは異なる。ハイブリッドで低速トルクは補完できるため、思い切って高出力に振ることができ、1.5Lターボで300ps以上、2.0Lターボで400ps以上になるようだ。
ハイブリッドという電動過給装置の有無こそあれど、10年前にホンダが試みた「Vテックターボ」計画も、1.0L、1.5L、2.0Lの3つの排気量のターボエンジンで、既存の自然吸気を置き換えるものだった。日本市場にも1.5Lと2.0Lのターボが投入されたが、「排気量信仰」がまだまだ根強い2010年代だったこともあり、シビック、CR-Vともに大ヒットとまではいかなかった。
ホンダとメルセデス
ホンダの1.5Lターボ戦略は粘り強く進められ、ジワジワとユーザーの意識は変わっていき、2.0Lターボの現行シビックtypeRは人気モデルとなった。1.5Lターボは、ベーシックモデル向け過給エンジンながら5500rpmまで回るので、高回転と低速トルクでMTとの相性も悪くない。ホンダが苦難を経て切り開いたところを、トヨタが美味しく持っていく構図は、もう何度見たことだろうか。ホンダが四輪を作らなくなったら、トヨタはアイディア不足で行き詰まるかもしれない。
さらにトヨタの新しいエンジン戦略を後押ししたと思われるのが、メルセデス による現行のCクラスのハイエンドモデル「C63AMG」で2Lターボで476ps / 6750rpmという運動性能重視のユニットかもしれない。すでに横置きエンジンでは「A45AMG」の2Lターボで400psを超えるユニットが登場している。軽量な横置きモデルなら低速トルクの負荷も低くかなり前から400psを達成していた。しかし1700kgほどあるCクラス向けの2Lターボ化は48VのEVシステムが介入するのが特徴だ。