ミニバンは高級車
ホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア/ヴォクシー、日産セレナの大手3社が並び立つミドルミニバンは車両価格の高騰もあって、かつてよりは販売台数が減っている。200万円を切る価格で5ナンバーサイズだったのは10年前の話で、今では客寄せのベースグレードが270万円くらいで、実用性がある標準的なグレードは全て本体価格だけで300万円を越えてしまう。
3社ともに上位のラージミニバンを用意しているので、これらのミドルミニバンには意図的にアラを作っていると思われる箇所が多い。現行型ステップワゴンは2022年に登場した。フロントとリアのデザインや機構が大きく変わり、先代モデルとはまるで別のモデルというくらい差別化されている。落ち着いたエクステリアはノア/ヴォクシーやセレナよりも好かれる要素かもしれないが、大人な外装に対して、内装デザインに不満を感じる。
中身はどうなの?
ホンダのインパネは、上位モデルのオデッセイから下位モデルのフリードまで、操作系のタイプ(ノブ式、ボタン式)や配置こそ異なるものの、インパネシフトを配置するためのナビ画面前に張り出すデッキ部分があり、このサイズがほぼ同じなため、オデッセイはかなりゆったりして見えるのに対して、フリードはかなり狭く感じられる。そしてステップワゴンもベースの設計が5ナンバークラスな為だろうか、フリードに近い窮屈さがある。
国内市場で相変わらずの人気を誇る軽自動車のN-BOXにも、インパネシフトのデッキがあるが、こちらはミニマムにデザインされているため、フリードやステップワゴンよりも解放感があり洗練されたコクピットにすら見える。ステップワゴンは軽自動車やコンパクトミニバンを連想させるインパネ&ノブのシフトではなく、オデッセイと同じくボタン型シフトになっているが、残念ながらデッキ部分の高級感がオデッセイのそれとは全く違う。