ホンダ VS MAZDA
ホンダのアドバンテージは低床設計で、ノーマル状態でもトヨタ車をシャコタンにしたような操縦性が魅力だ。ヴォクシーの短足化はしばしば見かけるけど、ステップワゴンで同様の改造は見たことがない。当時の豊田章男社長の号令でMAZDAのシャシー技術をコピーしたと言われるTNGA-Cプラットフォームを採用した現行のノア/ヴォクシーも先代とは全く違う乗り味であろうことは予想できる。
ホンダの「走り」ブランド力と、トヨタの本気が正面から激突した両車は非常に興味深い対決ではあるけど、あれこれ理屈をつけて優劣を判定する必要もない。ユーザーが個々に好きなところを見つけて選べばよいと思う。ステップワゴンは、前述のパドルシフト設置に加えて、ホンダらしいアクセルレスポンス、ハンドリングではスライドドア車ではオンリーワンな存在だ。
ミニバンの「BMW」
ステランティス・グループで共用されているスライドドア車(プジョー・リフター、フィアット・ドブロ)を、アルファロメオがチューンしてイタリアの工場で組み立てれば、ステップワゴンに匹敵するものが出てくるかもしれない。あるいはMAZDAが伝説化している2010年改良型の最終系プレマシー(ラフェスタ)を復活させない限りは、ステップワゴンの独壇場だ。
とはいえ・・・あくまでミニバンである。シビックより400kg重い1780kg前後のボデーに、デチューン版の150ps級ユニットなので、パワーウエイトレシオは国内正規販売モデルでも最も低いくらいで、軽自動車並みである。e:HEVが搭載される上位モデルだと運動性能は一気に向上し、1.5Lターボモデルと比べても車重は50kgほどしか増えない。