ちょうど良いグレード
現行アウディA4だと、初期のベースモデルとなる1.4Lターボエンジンを搭載したグレードが、経年数が浅いにも関わらず、かなりの激安価格が付けられている。現在は日本向けラインナップから除外されている。現行ラインナップでは2Lガソリンターボのハイチューン(265ps)版の「A4・45クワトロ」が、シャシーとエンジンのバランスが合ったグレードである。
A35はFFでガソリン(150ps)とディーゼル(163ps)があり、A40はクワトロでディーゼル(204ps)が組み合わされる。中古車価格だとA35、A40、A45のいずれも目立って大きな差はなく、2020年式で300万円くらいから見つけられる。日本向けモデルはいずれも7速DCTとの組み合わせとなる。初代から三代目のA4にはCVTとトルコンATが配備されていたが、四代目の途中からはDCTに置き換えが進み、5代目はS4やRS4以外の日本向けモデルはDCTだけになっている。ミッション面の選択肢があるとクルマの魅力は上がるが・・・。
意外に欠点は少ない
DCTの変速スピードは、メルセデス、BMW、MAZDAなどのトルコンATより確実に早い。さらにMT車のような直結によるダイレクトな加速の良さも評価できる。これに慣れてしまうと、今更にトルコンATには戻れなくなりそうだ。よく言われているDCTのぎこちなさや、変速ショックが大きいなどのデメリットは、ゴルフGTIなど200ps級のモデルであれば、ほとんど気にならないくらいだ。
栃木県日光のいろは坂のようなしばしばシーズンになると渋滞の発生する観光道路の登りなどでは、DCT車が走行不能になるトラブルが多発することがある。ネットの口コミで渋滞時のDCTの故障で、問題視されているモデルはホンダ、VW、アウディの一部のモデルで、いずれも低出力タイプに組み合わされる乾式クラッチを採用したDCTばかりである。現行のアウディA4で使われる湿式DCTでは特に問題になってはいない。