燃費と安定走行のトレードオフ
内外装のデザインが気に入っていて、手頃な中古車価格(300万円くらい)でバランスの良い「A4・45クワトロ」が手に入るならば、かなりお買い得だと思う。懸念があるとしたらハイオクで12.7km/Lのモード燃費だろうか。2Lガソリンターボに48Vマイルドハイブリッドが付くけども、やはりAWDに265psという最高出力を考えると、これぐらいでも上出来かもしれない。ディーゼルでクワトロの「A4・40クワトロ」だと16.1km/Lまで燃費が改善する。
縦置きエンジン&AWDなので、ディファレンシャルやトルクスプリッターなどのメカを介してパワーロスが発生し、日本メーカーだと燃費が一番悪いことで知られるスバルと同じような設計である。SUVブームで誰でも手軽にSUVを買うようになった日本では、SUVの重量増とAWD化によって燃費が悪化が一般ユーザーに避けられるので、CX-5、RAV4、ハリアーなどFFモデルの販売も目立つ。
AWDのメリットは計り知れない
多少燃費が悪くても、AWDには大きな恩恵がある。悪天候時だったり、高速道路を走っている際の安定感が明確にわかるレベルで違う。雨天や降雪時の登りの路面では、FWDやRWDでは色々と危なっかしい。以前にFF車に乗っていた時に、そこそこ雪が積もった道を登ったところ、前方でクルマが立ち往生していて脱出不能だったので、来た道を引き返すことにした。
雪が積もる登り斜面で一度止まってしまうと、タイヤと路面の間の雪が溶けてしまい、案の定だけどフロントタイヤが空転を始めた。仕方なくフットブレーキを緩めて重力のままにバックしたが、今度はブレーキが効くだろうか?とヒヤヒヤしたことがある。他にも同じFF車で雪道を幾度となく走行したが、旋回時にブレーキを踏むと、大きくアンダーが出てしまうし、大きく旋回してハンドルを戻すとリアがタコ踊りするなどあったが、今乗っているAWD車では一度も経験したことはない。