駆動方式の使い分け
ハンドリングや加速のフィールを追求する小型&軽量車であれば、FWDやRWDの方が軽量でスポーティな走りにつながるので積極的に選びたい。GRヤリスなどのよほどの高出力車でなければAWD車である必要はない。ロードスターやスイスポがAWDだったらコンセプトは台無しだと思う。一方で中距離(100〜200km)や長距離(300km以上)を一度に乗ることが多いならば、多少は燃費を我慢してでもAWDを選ぶべきだと思っている。
欧州で2000年代から2010年代にかけてクワトロを装備したアウディによって、RWDが中心のBMWやメルセデスが駆逐されたのは、アウトバーンでの安定性でアウディのクワトロの評価が圧倒的に高かったからだそうだ。それに加えて、2008年に先行して大型化したアウディA4の成功を安直に真似て、2012年の3シリーズ(F30系)と、2013年のCクラス(W205)がそれぞれボデーサイズを先代モデルから大きく拡張したために既存顧客を失ったからとも言われている。
A3セダンとA4セダンの比較
1ドル=70円台の歴史的な円高のタイミングだったこともあり、この時期の輸入車はよく売れていて、ディーゼル好評だったF30もスタイリッシュに生まれ変わったW205も日本でも好調だった。2015年頃にはボデーサイズ拡大で空白が生まれた4.5mサイズのプレミアムセダンのゾーンに、メルセデスCLA、アウディA3セダン、2シリーズグランクーペ、メルセデスAクラスセダンが投入された。これによりA4、Cクラス、3シリーズの日本市場での存在感は薄くなった印象だ。
アウディA3セダンや、A4に引けを取らない伸びやかなプレミアムカーらしいデザインで完成度が高い。VWゴルフと同じMQBブラットフォームで、FFモデルは1L直3ターボに48Vハイブリッドで、AWDモデルは2L直4ターボとなっていて、いずれも7速DCTだけど、FFは乾式クラッチで、AWDは湿式クラッチとなる。直4ターボ190psを搭載する「A3セダン・40TSFIクワトロ」ならば、長距離運用もできそうだ。