北米市場のハイパワーなCX-30
スペック重視の北米市場では、「プレミアムなクルマ作り」に力を入れているMAZDAは、CX-30においても、大手のライバル車に対してパフォーマンスで優位に立つ努力がされている。CX-30は新時代MAZDAの北米市場においては、最も小型でラインナップのボトムに位置している。直接の大手のライバル車はVWタオス(2018年〜)とトヨタ・カローラクロス(2020年〜)である。CX-30を含めたこの3台はほぼ同時期に開発され、北米スタートで販売が開始された。
VWタオスはメキシコ工場などで生産され、北米と中国市場で販路を広げている。MQBを使った最新世代のモデルで、1.4Lターボ(150ps)と2Lターボ(190ps)が基本ユニットが搭載され、サイズはCX-30とほぼ同じだ。北米市場においてはVWブランドで最も小さいモデルとなる。北米VWではタオスの上位のSUVにティグアンとアトラスがあるが、ロードカーはCセグセダンのジェッタと、Cセグハッチバックのゴルフがパフォーマンスグレードの「GTI」と「R」のみ販売されていて、他のモデルは全てBEV化されている。
好調3ブランドの原動力
トヨタ・カローラクロスは北米市場でも日本仕様と同じユニットが搭載されていてTHSモデル以外だと、2L自然吸気(170ps)にCVTを組み合わせている。3台ともに24,000ドル前後のスタートだが、カローラクロス(23,860ドル)<タオス(23.995ドル)<CX-30(24,995ドル)くらいの価格差が付けられている。ベースモデルのスペックだとカローラクロス170ps、タオス150psに対して、CX-30は2.5L自然吸気(191ps)が搭載されているので、CX-30も比較的にお買い得感がある。
2024年に入り、トヨタ、VW、MAZDAのこの3ブランドが、北米市場において脅威的な伸びを見せていて、前年同月比で20%増、30%増を連発している。EVシフトに全振りしたVWは近年大きくシェアを落としていて、今ではMAZDAの後塵を拝するようになってしまったが、今年に入ってから大きく数字を戻してきている。日本ではトヨタの好調しか報じられないが、MAZDAやVWの伸びはその上を行っている。