日本車の価値を高めるために
贔屓目かもしれないが、MAZDAだけが、日本の自動車産業の代表として、憧れであり続けたドイツブランドに活気が戻ることを願って、新生プレミアムブランドの牽引ブランドとして、古き良き自動車産業を取り戻そうとしている。MAZDA3、CX-30、CX-50、CX-90と、第七世代のラインナップはことごとく2024年の「トップセーフティピック・プラス」を獲得している。お願いだからレクサスもBMWもメルセデスもアウディも「安全性」を誇るクルマ作りをしてくれ!!くらいの気持ちかもしれない。
ICEのプレミアムブランドなんて時代錯誤も甚だしい・・・と批判したい人はすればいいと思う。テスラ、ヒョンデ、キア、ボルボの北米市場におけるBEV拡販への企業努力にも敬意を持っている。インフラ面で課題でBEV普及は決して簡単な道のりではないだろうし、当事者として長期戦は必至な状況で「安全性」を前面に打ち出して、自ブランドの正当性を謳っている。テスラがメルセデス、レクサスをあっという間に抜き去ったのも、テスラは全モデルが最高評価を受けていて、レクサス、メルセデスには該当車が一台もないという悲惨な状況だったことも後押ししただろう。
CX-30の魅力
日本市場においても、CX-30はMAZDAブランドの入門車として、新規ユーザーを惹きつけるモデルとして機能するようになってきている。初期モデルは価格設定からCX-5にユーザーを横取りされる格好だったが、CX-5の価格改訂(値上げ)によって、CX-30の販売が2024年7月は前年同月を上回っている。このクルマの魅力はちょっと伝わりづらい部分もある。MAZDA2のような軽快さや、CX-5のようなゆとりを考えると、「帯に短し、襷に長し」という感想もあるだろう。
中途半端なサイズ感ではあるが、CX-30には多くの美点が備わっている。北米のIIHSがお墨付きを与える「安全性」の他にも、MAZDA第七世代のMAZDA3、CX-30から装備されているナビ(マツダコネクト)は、前の世代のものと比べて、地図画面は鮮明で見やすく、画面上のポインターも滑らかに作動して操作性は格段に上がっている。リアカメラや360度カメラの画像も解析度が高くて、とても見やすいものになっている。CX-5とは世代が違うようで、最新のマイナーチェンジを経ても越えられない仕様の違いがある。