20年の重み
2nd&3rdの進化によってVWゴルフ追従ではなく、MAZDAが作る「ドライビング・スタンダード」として環太平洋地域(オーストラリア、カナダなど)ではNo.1ヒットモデルになる。その勢いのまま車名をアクセラからMAZDA3に改めて2019年に登場した現行モデルは、過去3世代の完成度のハードルを跳ね除けて、担当のデザイナーは素晴らしい仕事をして、ハッチバックのデザインは世界に衝撃を与えた。
MAZDAファンはメーカーに甘すぎると言われそうだけど、このような手抜きのない仕事を4世代20年に渡って継続したメーカーに、安易に苦言を呈する気にはなれない。初代&2代目はフォードに解体&精算されないように、3代目&現行は独立系メーカーとなってEVシフトの波が押し寄せる中で、必死でクルマ作りに打ち込んだ結果として他社が真似できないクルマができる。良い仕事は「環境」が生むのだろう。
スペシャルグレードを必ず作る
初代と2代目には2.3LターボのMSアクセラが設定され、3代目には2.2Lディーゼル搭載グレードがあり、現行にはスカイアクティブX搭載グレードがある。全ての世代にスペシャルグレードを用意することで、「MAZDAはグランドツーリングカー・ブランド」であることを主張している。現行モデルには、北米仕様で用意されている2.5Lターボを搭載したグレードもあり、これも日本投入があり得るらしい。
アクセラおよびMAZDA3の歴代スポーツモデルの4台を保有する趣味は、歴代のtypeR、GTR、WRXを複数台持つみたいな熱いものがある。しかも4台全てが2000年以降に発売されたものであり、他の日本メーカーのスポーツモデルシリーズが、2008年頃のリーマンショックで開発が次々と凍結され、事実上は終焉を迎えたことを考えると、エンジンから積み替えてスペシャルグレードを作り続けるMAZDAの継続力はもっと評価されていい。