MAZDAの現実
「MAZDAの街乗りモデル」というだけで、既存のMAZDAファンはせせら笑って終わりかもしれない。しかし彼らの多くが至高だと考えている歴代ロードスター、RX7FD3S、MSアクセラなども、実際のところの運用では街乗りの範疇を出ないだろう。買い物で駐車場に停めるのはMTだとちょっと億劫になるから、街中や近郊をウロウロするくらいだろうか。休日に峠に行ったら、ヤンチャなGRヤリスに狩られるのがオチだ。
夜中のガラガラの幹線道路をMT車で走るのは気持ちが良いけども、たまにメルセデスA35AMGにケツを突かれまくり、派手なヘッドライトがバックミラーに映り続けたりする。ドイツの超名門が三菱のシャシーにゲトラグのDCTを使って仕上げた「ランエボ」とMAZDA車が互角に渡り合えるのは、漫画の世界だけの話だ。エンジン出力通りの強烈な加速を見せつけられる。自意識過剰かもしれないが、MAZDA車って目の敵にされてる?
時代は過ぎ去った
私が乗っているのは、ミドルSUV(CX-5KF・2.5L・AWD)とコンパクトカー(15MB)なので、輩なクルマに遭遇してもあまり気にしてないが、もしMAZDAのスポーツタイプに乗っていたら精神的ダメージを喰らいそうだ。トヨタもメルセデスも「AWDターボ以外はクルマ<スポーツカー>にあらず」と主張する時代では、FRやFFのスポーツカーは、ポルシェが言うところの「プロムナードカー」(718ボクスター)でしかない。
軽自動車がひしめく昼間の道路で、緊張感もなくだらしない姿勢のままで余裕そうにMTシフト操作するだけの、側から見たら徹底的に「自己満足なドライブ」を嗜むための趣味のクルマというのが実際の立ち位置だ。実際に昼間にだらだらと走るロードスター、FD3S、MSアクセラは結構目につく。MAZDAもスポーツ分野でのラインナップ展開が時代遅れになっていることに気が付いたのだろうか、200psのロードスターや、250ps・AWDのCX-30などを展開を始めているが・・・。