「街乗り」で再出発
次期CX-5もストロングハイブリッド装備など、どのように「着地」するかわからない新要素が追加される。MAZDA待望の「街乗りユニット」が搭載されるのに、内装がピアノブラック、アルミメッキ、カーボン調で織りなす第六世代初期くらいまで逆戻りしそうで心配だ。ここまで来たら、渋滞大国・日本を代表するような、圧倒的なインパクトを誇る「街乗りマシン」を完成させて欲しい。
日本向けカローラ・シリーズ(GRを除く)が全てHEVのみとなり、次期RAV4も同じくHEVとPHEVのみだと発表された。次期ハリアーもRAV4と共通のユニットになるだろう。これらのトヨタの中型モデルと比べて、あまり差がないパッケージングなら、トヨタが仕掛ける情報戦の餌食にされて全く売れずに終わるだろう。圧倒的な街乗り性能(燃費)を誇るトヨタに対して、インテリアで指名買いされているメルセデス、ボルボ、MINIのような独特の世界観が不可欠だ。
かなりの困難が予想されるが・・・
「MAZDAを叩きたいだけ」のシルバー・カーメディアからステレオタイプ(ゴミ)な批判が飛んでくるだけでなく、長年MAZDAを愛してきたシルバー・MAZDA愛好会からも「つまらないクルマを作るようになった」と苦言を呈されることだろう。HEVで450万円以上が予想される本体価格も、現行CX-5ユーザーの希望とは大きな隔たりができてしまう。
すでにある程度の実績があるとはいえ、「インテリア」の一点突破で「街乗り車の正義」を市場に知らしめるという難しいミッションだ。ちょっと楽観できる要素としては、メルセデスやボルボが一定の成果を上げていることと、ライバル車はたくさんいるけど、大してレベルが高くないことだろうか。後から出てきた、RAV4、ハリアー、エクストレイル、ZR-V、フォレスターと比べても、現行CX-5は圧倒的に「衝動買い」させる強い魅力を放っている。