次期CX-5は「街乗り」で勝負する。

 

MAZDAには市場を変える力がある

デザインは数値化できないので、単純に優劣を語ることはできないのだけど、CX-5に関してはある程度の裏付けがある。初代CX-5が2012年に発売され、わずか5年後の2017年に異例のスピードで二代目にFMCした。前田育男さん率いるデザイン部門は、初代のデザインが不十分だとして経営陣を突き動かして早期のFMCとなった。「このままでは自動車業界は終わってしまう」という危機感もあったのだろう。

 

二代目(現行)CX-5のあまりの完成度の高さゆえに、前田さんはいくつかの書籍まで発売して、そこで大手企業のサラリーマンの枠に収まらない雄弁さで、苦難の末に生み出した傑作デザインを語っている。もちろんCX-5が大ヒットし、MAZDAの業績を一気に上向かせた事実が前提としてある。前述したようにCX-5より優れたデザインのSUVは、前にも後にも見当たらない。日本車デザインの極地と言われたRX7・FD3SのSUV版としてCX-5・KFは立っている。

 

2017年とは大きく状況が変わった

もし現行CX-5にストロングハイブリッドの「街乗りグレード」があったら・・・と想像してしまう。渋滞は嫌いで避けるので、個人的にはそんなグレードは不要なのだけど、東京都や神奈川県の中心部のような輸入車の方が多く走っている地域で、MAZDAのシェアが現状よりもはるかに高かったかもしれない。2017年のデビュー当時から「都会的デザイン」と言われていたが、まだその頃は、「都会で使うにはHEVかBEV」という概念は成立していなかった。

 

次期CX-5がキープコンセプトで登場するならば、ストロングハイブリッドとの親和性は高いだろう。さらに日産アリアにCX-5のボデーを使えば大ヒットするのでは!?とさえ思ってしまう。日産は前田さんを引き抜いてアリアを完成させていたら、現状の経営不振とは無縁だったかもしれない。前田デザインはアメリカでも中国でもコアな人気を誇っている。前田スピリッツを引き継ぐMAZDAデザインによる次期CX-5が楽しみでしかない。

 

 

後記

最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年6月1日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。

 

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