軽さは正義
乗り出して1ヶ月ちょっとで700km程度しか走っていないが、MAZDA2がこんなにも素晴らしいクルマだとは思わなかった。発売から11年が経過し、熟成の極みゆえの出来の良さもあるだろうけど、さまざまなシチュエーションでMAZDAでも最高レベルでは?と思うことがある。ワインディングを走ればロードスターとは一味違う「オン・ザ・レール」な心地よさが際立つし、関東山地の急勾配を3速固定でグイグイ登っていく爽快感も、軽量ボデー(1040kg)とギア比の恩恵が大きく、他の車種では真似できない。
東京都中部に住んでいるが、駐車場を探すのはなかなか大変だ。大きい道路に面している広々した駐車場は人気で、マンションの駐車場は満車が続いている。ちょっと不便な狭い裏路地で、商用軽バンが多く利用している小型車用の駐車場だと、すぐに見つかるし、賃料も割安で済む。5ナンバーサイズなので、万が一に実家のカローラツーリングにトラブルが発生した場合は、妹のAT限定を解除させてMAZDA2を譲ることもできる。CX-5では実家での運用は難しい。
決定的な分断
SNSでの映えを意識する人や、大黒PA(神奈川県)に行きたい人には、MAZDA2に全く価値が見出せないだろう。大黒じゃシビックtypeR以上じゃないと楽しめないだろう。販売価格が500万円を超えるようなクルマは、少なからず「記号的価値」によって所有者に満足感を与える。貧乏人の僻みだと思ってもらって結構だが、クルマの価値を説明する能力が絶望的に低い人は、とりあえず「金額」で、その価値を示そうとする。400万円ほどで手に入れえたであろう初期型R35GT-Rを「1500万円のクルマ」と言い張る人がSNS界隈にはウジャウジャいる。
1000万円以上するクルマを買える財産を持つ人は山ほどいるが、クルマに大金を使うのは別荘を持つくらい無駄だと考える人も多い。ポルシェもGT-Rも注文ができないくらい人気なのだから、日本のカネ余りはなかなか深刻な状況だ。とりあえずクルマに詳しい人からしてみたら、1000万円以上するクルマを生産する会社は世界中に無数にある。エルフィン、デウス、KTM、ジル、シン、アニバル、コンクエスト、フェリーノ、リマック、カイパン・・・。