ハイエンド技術
現行のアキュラのGTカーは、D/Eセグの4ドアのTLXと、C/Dセグの5ドアのインテグラの2車種ある。インテグラは日本でも販売されているシビックおよびシビックtypeRのガソリンターボのユニットがそのまま使われていて、CVTとMTの設定は、ボデータイプこそ違うものの、日本でもシビック同様のものを選ぶことができる。昨年にはシビックRSが追加され、北米向けの強化部品が使われて430万円と高めの価格設定ながら大人気となった。
シビックRSの予想外の反響で、ホンダが何らかの手応えを感じてくれたら良いのだけども、北米のみで販売されているアキュラTLXのスポーツバージョンである「タイプS」も相互関税による貿易摩擦解消の名目で逆輸入で日本市場に導入して欲しい。アキュラTLXの基本設計はレジェンドから受け継いでいる。アウディA5 / S5の前後輪マルチリンクに対抗すべく足回りも、ホンダがかつて世界戦略に放ったプレリュード、アコード、シビックに導入されたフロントのダブルウィッシュボーンの系譜を受け継ぐ仕様だ。
ホンダのハイテクミッション
アキュラTLX用のミッションは、すでに発表から10年が経過するも日本では一切販売されていない10速のトルコンATが全車で使われている。さらにタイプS用には、欧州勢のスポーツDCTに対抗するために、変速スピードを向上させた専用バージョンが搭載されているようだ。先代のアキュラTLXでは、クラッチではなくトルコンを装備した8速DCTが採用されていたが、この変更には何らかの運用面での理由があったのだろう。
日本にもタイ生産のアコードが導入されているが、HEV専用のFFモデルだけで、ホンダの3L・V6ターボ、10速AT、SH-AWDといった技術を搭載したモデルは現在のところ日本では正規販売されていない。日本でも販売されていた最終型のレジェンド(アキュラRLX)もHEVのみの販売で、7速DCTとSH-AWDでNSXと同じシステムと使った「スーパーサルーン」だったにも関わらず、車重2000kgクラスの「VIPセダン」としてしか認識されなかった・・・。