現行のデザインなら売れそうだが・・・
最終型レジェンドは2019年まで販売されていたが、このモデルがそこそこ売れていたら、乗り換え需要を狙ってアキュラTLXの日本導入もあったかもしれない。レジェンドの性能面に惹かれるマニアックな人は少なくなかったと思うが、高級車に不可欠な「デザイン」にやや問題があったのが不調に終わった原因だと思われる。デザインが一新された現行のアキュラTLXならば最終型レジェンドとは違う結果になるとは思うが、北米生産車である上に、HEVが導入されていないことも、日本導入が簡単に実現しない要因だろう。
HEVの有無に拘らずに、アキュラTLXを日本市場に正規導入してみてはどうだろうか、シビックRSのような反響が少なからずあるはずだ。とりあえず右ハンドル設定が面倒だろうが、いっそのこと日本メーカーの「庭」となっているイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタン、バングラディシュ、インドネシア、タイ、マレーシア、ブルネイ、シンガポール、香港といった経済成長著しい「右ハンドル国」にも一斉に導入すればいい。
ホンダのイメージ
日本市場で高性能GTカーを複数扱っている日本メーカーは、日産(R35GT-R、スカイライン400R、フェアレディZなど)とスバル(WRX・S4、レヴォーグ、BRZなど)で、この2メーカーに拘るユーザーは、トヨタ、MAZDAといった他の日本メーカーを「格下」に見ている節がある。日産(プリンスはIHI系の立川飛行機)、スバル、三菱の「重工系御三家」は、ドイツ、イギリス、イタリアの自動車メーカーに多い「航空エンジン出身」という成り立ちからだろうか、グランドツアラーのイメージが強い。
世界の自動車産業をリードしてきた「航空エンジン」メーカーに、片っ端からケンカを仕掛けてきたホンダであっても、二輪車出身メーカーには「小型車」のイメージが付きまとう。自由の国アメリカはホンダにとって相性がいいのかもしれない。ホンダの「世の中を変える力」で、GTカーの世界展開に果敢にチャレンジして欲しい。ランエボが終焉してから10年余りが経過した。日産やスバルは自社ブランドの顧客の乗り換え需要を賄うために、高性能車の販売を続けていて、「飛行機エンジン」メーカーのプライドを守ってはいるが、次世代へ繋げるアイディアが不足しているようだ。