日本はGTサルーン不毛地域!?
ホンダジェットを飛ばすことで、「航空エンジン」メーカーの仲間になった(?)。そんなホンダなのだから、堂々と北米以外の世界の主要市場でアキュラTLXを売ればいいと思うのだけど、「他社の真似はしない」みたいな社是があるようで、ちょっと捻くれている。実際のところは日本市場ではグランドツアラーはあまりウケないと考えているのだろう。現実に日本ではアストンマーティンより、ランボルギーニのような王道スポーツカーが売れてしまう。
休日に高速道路からアクセスしやすい施設に行くと、駐車場には派手なランボルギーニが並んでいる。アストンマーティンの世界観に浸るユーザーは、群馬県富岡市の「こんにゃくパーク」などに興味ないかもしれないが・・・。ベタベタの低重心のスポーツカーでは、高速道路か都心の道路のようなフラットな路面がメインになるけど、ポルシェ911やアストンマーティンDB11は、スーパーカーよりも100mmほど車高が高く1300mm近くあるので、もっと多くの道路を走破できる。
ランボとゲレンデが主流!?
ポルシェやアストンマーティンでは窮屈なので、さらにリラックスできる上に、買いやすい価格に抑えたグランドツアラーとしてBMWやホンダなどのエンジン屋が1400mm前後の車高のセダンをベースにした高性能GTサルーンを作る。洗練されたエンジンによる加速と、絶妙なボディバランスによるハンドリングを楽しむために、高速道路だけでなくアップダウンのあるワインディングを走りたくなる。
しかし日本の峠道は、4800×1900mmクラスのGTサルーンが快走するにはやや狭い。アキュラTLXやBMW4シリーズは、「アメリカ・サイズ」のワインディングに合わせて設計されているのだろう。GR86やロードスターなど日本市場でも販売されている日本メーカーによるスポーツカーは、ライトウエイトな設計が目立つ。より大きなサイズのGTカーでも、WRXやシビックtypeRなども、日本の道路事情を考えて設計されている。