日本市場のGTカー
勝手な定義ではあるけども、「グランドツアラー(GT)」とは、パワーウエイトレシオを考えつつ200〜400ps級の高い機動力を有するCセグ以上の4シーターで、ドアの枚数は2、3、4、5いずれもOK。その中でもD/Eセグの4ドアサルーンを「GTサルーン」と呼んでいる。日本市場の現行モデルで「GTサルーン」に分類されるのは、日本車だとレクサスISとスカイラインだけになった。HEV専用モデルのアコード、レクサスESなどは除外する。
その他に「グランドツアラー」に分類できるのは、GR86、BRZ、GRカローラ、WRX、レヴォーグ、シビック(ノーマル、RS、typeR)、MAZDA3(スカイX)くらいしかない。トランプの相互関税が解決しなければ、2002年の時のように、これらのモデルが一気に根こそぎ廃止になるかもしれない。レヴォーグやMAZDA3のスカイXは北米で販売されるクルマではないけども、生産車が国内向けHEV主体に切り替われば、すぐに生産中止になるかもしれない。
MAZDAもGTサルーンを!!
2020年に新規設計のV6ターボを導入したホンダと同じく、2021年3.3Lの直6ガソリンターボを北米向けに展開しているMAZDAも、せっかくの新設計エンジンを使った幅広い車種展開で、難しい局面を打開したいところだ。自慢のデザイン力を駆使して、アイコニックな「GTサルーン」を作ろうという意思はあるようで、もう7年前になるが「ヴィジョン・クーペ」コンセプトが発表され、欧州で激賞された。
「ヴィジョン・クーペ」コンセプトは、フェラーリがそのデザイン&カラーをコピーして、「ローマ」という市販GTモデルを完成させてしまうくらいで、MAZDAの顧客の感性を完全に突き抜けてしまった。前田育男さんよりも、荒川健さんの頃のデザインの方が、リアルなユーザー層にブッ刺さると思う。MAZDAが1993年発売のユーノス800を30年に渡って開発&販売を継続していたら、アキュラTLXのようなスペックのクルマになっていただろう。