トヨタがやることはやらない
トヨタやダイハツがこぞって「グリーン」を採用しているためか、「ロードスター軽井沢ミーティング(2025年5月)」のトークショーでは、MAZDAのデザイナーが「今さらにグリーンを設定するのも・・・」とやや否定的な発言をしていた。トヨタやレクサスだけでなく、トヨタの100%子会社になり、自動車開発のスピード感が増しているダイハツが、どんどん先に動いてしまうので、後手を踏むMAZDAの判断は難しくなってしまう。
最新モデルのCX-80は8色のカラバリを揃えた。「白黒赤青」の基本4色に加えて「マシングレー」「アーティザンレッド」「プラチナクオーツ」「メルティングカッパー(銅色)」の4色で、意識高いファミリーユーザーをターゲットにするために暖色系のカラーを中心に展開されている。MAZDAではCX-80にしか導入されていない「メルティングカッパー」が採用されたが、これは2021年登場のスバル・アウトバックもしくは2022年登場のレクサスRXのカラーを拝借してしまったようだ。
日本市場は「白」と「黒」ばかり?
レクサスのRXやNXなど、高額なSUVはほとんどのユーザーがリセールバリューを考えて「白」か「黒」を選ぶようで、RXやNXだけでなく街中のレクサス車は、ほぼ「白」「黒」「シルバー」などの無彩色ばかりになっている。大半のユーザーが「白」か「黒」を選ぶけども、やはりアメリカ向けブランドということでカラバリは豊富で、残りの2割のユーザーの個性を尊重するためにレクサスRXは11色、レクサスNXには12色も設定されている。
CX-60とレクサスNXの2台を比較検討するユーザーがいたとする。最初からレクサスありき、MAZDAありき、直6ありきで選ぶ人は、この2台で迷うことはない。この2台で迷う人がどれほどいるかわからないけども、とりあえずディーゼルにもHEVにも偏見はなく、性能面よりもむしろカラーバリエーションが決め手になる可能性が高い。レクサスから顧客を奪うには、カラバリで負けてはいけない。