スカイアクティブ初号機
歴代のMAZDA2は、「小型&低価格」の需要に応えるために放置されたモデルでは決してなくて、それぞれの世代でMAZDAが持つ目一杯のアイディアと技術が詰め込まれている。Bセグのコンパクトカーにも関わらず、2011年(3代目DE型)には、可変バルブタイミング機構が搭載され、これが最初のスカイアクティブGとなっが、当時のMAZDAは特売セールで98万円で安売りした。「可変バルタイ」技術は、BMWのバルブトロニックや日産のVVELなど高級車に使う機構だった。コストの問題なのかすぐに機構は簡略化されたようだが・・・。
小型で軽い車体に小排気量でもパワフルなエンジンが積まれたMAZDA2(デミオ)の設計は、現行のユーロ6eやユーロ7施行が迫る中で失われつつある「古き良きイタリア車」を彷彿とさせる。日本と同じ低賃金に喘ぐイタリアは、クルマ作りは混迷しつつも活気はある。マイルドハイブリッドが必須となり、名車フィアット500のICEが廃止され、代わりに日本市場にもやって来たフィアット600Hybridは、ふた回りくらい大きい車体(CX-3くらい)のサイズになった。
日本市場に多数のBセグ輸入車投入
日本のボーナス商戦を控えた今月(6月)に合わせて、ステランティスは共通設計と思われる、600Hybrid、ジープ・レネゲードe-Hybrid、アルファロメオ・ジュニアの3台が一斉に投入された。ライバルのルノーも同じタイミングでデザインを一新してマイルドハイブリッド&ターボが追加された2代目キャプチャーを投入した。非HEVで頑張ってきたMAZDAのBセグ(MAZDA2、CX-3)撤退が予想される中で、空いた市場(アンチHEV)を狙う輸入BセグSUVが結集しつつある。
北米主軸のスバルはBセグに興味なしで、トヨタとホンダは日本市場の全モデルをストロングハイブリッドにすることを画策している。日産や三菱にも欧州で生産されるキャプチャーの兄弟車があるけど、日本導入は実現していない。軽自動車の優遇が続いたことで、日本メーカーの国内Bセグへのモチベーションは低下している。小排気量ターボ&マイルドハイブリッドによるWLTCモードで23km/Lは競争力があり、さらに日本車Bセグを上回るハイセンスなインテリアを持ち合わせている欧州車にはチャンスかもしれない。