日本車らしくないMAZDA2
MAZDAもBセグの優先度がかなり低くなっている。しかし欧州の自動車文化を取り込むことがアイデンティティのMAZDAにとっては、欧州の小型車が大挙して日本に押し寄せて大都市の街中で存在感を発揮するなら、MAZDAの小型車(MAZDA2、CX-3、ロードスター)で迎え撃ってブランドの知名度を上げたいところだ。フィアットやルノーは欧州では大衆ブランドとされているが、欧州市場のニーズを反映してインテリアのクオリティは、日本市場向けのヤリスやノートなどとはレベルが違う完成度だ。
日本メーカー車のBセグの中では、全く別の立ち位置のクオリティを発揮していたMAZDA2、CX-3だったが、実際のところは「経済的かつ実用的なBセグをできるだけ安く買いたい」という日本市場のニーズにはあまりハマっていなかった。日本市場ではクルマでの移動時間を重視するユーザーは、Cセグ以上のクルマを選ぶ傾向が強く、Bセグは1人乗りで簡素なデザインで十分だというユーザーの嗜好を踏まえてヤリスやノートは街中での燃費と価格低減の二点豪華主義で徹底したコスト管理が行われている。
Bセグ高級車がトレンドになる!?
日本市場全体では、軽自動車や小型普通車においてはスライドドア付きのハイト・ルーフが販売の主体になってきている。しかし東京都の立川市より東のエリア(都心寄り)では、N-BOXもルーミーも販売台数の割にあまり見かけない。同じくヤリス、アクア、ノートも少ない。代わりに初心者マークのノート・オーラにはよく出くわす。現役世代のクルマ選びは、トヨタだったらカローラ以上、日産だったらノートオーラ以上の車格になっているようだ。
カローラの最上級グレードやノートオーラの価格 (乗り出し約350万円) と比較すると、ルノー・キャプチャーやアルファロメオ・ジュニアなどの新型モデルはそれほど割高感はない。「走り」よりも「燃費」に大きく振っている設計が中心の日本車と比べても、それほどモード燃費で見劣りはせず十分にエコであり、「デザイン」や「走り」など総合的に所有欲を満たしてくれるのは、新型の輸入車BセグSUVの方かもしれない。