「世界大戦」が始まった!?
ステランティスのイタリアチーム(フィアット、ジープ、アトランティス)が兄弟車を一斉に日本投入した。ルノー日産は内情がちょっとゴタゴタしているかもしれないが、欧州ではキャプチャー、日産ジューク、三菱ASXが、昨年(2024年)のビッグマイナーチェンジで、それぞれブランドの個性を強く出したデザインに切り替わった。キャプチャーとASXはスペイン生産、ジュークはイギリス生産で、今のところキャプチャーだけが日本にやってきた。
ステランティス、ルノー日産と欧州市場を三分するVWグループは、これに対抗する動きができていない。VW・Tクロス、アウディQ2、セアト・アローナは共通プラットフォームだが発売時期はバラバラで、すでにアウディQ2はデビューしてアウディでは異例の10年目に突入している。2019年発売のTクロスは世界30万台/年クラスに成長し、2017年発売のアローナはセアトの最量販モデルとなっているので、BセグSUV市場に手応えを感じているのは確かだ。
トヨタ&MAZDAも本格参戦!?
ステランティス、ルノーがEVシフトを補完する意味で、BセグのICEを強化するのに対して、VWとヒョンデはBEVの拡販で激しく覇権争いをしている。そんな中で逆張りのトヨタは2020年に発売したヤリスクロスをフランス工場でも生産して欧州での拡販に力を入れている。2024年にはレクサスLBX (岩手工場生産) を欧州に導入してスマッシュヒットした。MAZDAはCX-3の後継となるCX-20が年内に発表される予定で、これがヤリスクロスの兄弟車となっていて、MAZDAのタイ工場で生産されるとの噂が出ている。
何となく辻褄が合ってきた。レクサスLBXは開発にあたって、ドライバーの着座位置を後方に下げてドライバビリティの劇的な向上を目指したと強調されている。NXやUXなどレクサスのFF上級モデルはことごとく「前乗り」のままなのに、ボトムレンジにあるLBXだけのこだわりにやや違和感があった。もしかしたらヤリスクロスをベースにしてレクサスLBXとCX-20が一括企画で開発されていて、MAZDA車に相応しい「中乗り」へと骨格に大変更が施されたのならば合点がいく。