5、WRC人気の低下
サッカー、自転車と並んで欧州中心の人気スポーツがモータースポーツだが、欧州市場の排ガス規制強化によってWRCの運営が難しくなっている。ラリー1の参戦はトヨタ、ヒョンデ、フォードのみで、2025年の全14戦のうち第11戦まで終了しているが、トヨタ10勝、ヒョンデ1勝、Mスポーツ(フォード車)0勝という結果だ。ドライバーこそ欧州国籍の選手が活躍しているが、マシンは非欧州メーカーが占めている。
F1はフェラーリ、メルセデス、ルノーに加えて、来年からはアウディが参戦するなど欧州メーカーが中心となっていて状況とは対照的である。WRCで使われるBセグメント車は、欧州メーカーでは次々と電動化が進んでいる。英国で販売されるホンダ・フィットやMAZDA2(ヤリスOEM)は全車ストロングHEVとなっている。マイルドHEVでは2L級のエンジンをデチューンしないと2026年からは投入不能なので、欧州メーカーでは否応なしにBEV化している。
トヨタの強さが際立つラリー1(トップカテゴリー)では、2026年からヒョンデ、フォードの撤退が噂されている。WRCもラリー1でのハイブリッドの使用を禁止したりしてトヨタ独占の弊害を抑えようとしているが効果はあまりない。さらに2027年からラリー1の規格を大幅に変更して、市販車とは全く別のラリー専用機材(ハイパーカー)を使う構想があるらしい。
GRヤリスはWRCに関連付けてフランスなどでは1000万円超の価格で販売されるらしい。さらに実際の法規はわからないが、排気ガスの罰金で毎年6万ユーロ(1000万円)が課せられる。完全にセレブ向けのスーパーカービジネスとなっているようだ。WRCの常勝チームだから可能なのだろうけども、レギュレーションが変わってしまったらGRヤリスの取り扱いはどうなってしまうのだろう!?