MT無しモデルだからこそ売れる!?
e:HEVのスポーツカーであるプレリュードは、同価格で売られているシビックtypeRと比べれば、ホンダ開発者も認めるように「エクストリーム」性は低い。しかし身内がAT限定免許である人々にとっては、かなり期待できるモデルと言える。シビックe:HEVで十分という意見もあるけど、スポーツカーに乗りたいという欲求不満を抱えてきた人々にとってはベストアンサーな1台だ。
GR86、スイフトスポーツ、ロードスター、フェアレディZなど日本メーカーはスポーツカーが得意だが、ほぼ全てのモデルがMTでのドライブを想定して開発されている。購入者の大半がMTを選ぶという状況では、特に男性ユーザーはATを選びたいけど、後ろめたい気持ちを抱えてのカーライフに、決して安くない新車価格を支払うのはバカバカしいと思ってしまう。
あと5年で全てが変わってしまう・・・
AT車しか設定がないレクサスLCやレクサスRCといった2ドアモデルや、レクサスIS、スカイラインのようなスポーティサルーンの人気は根強い。ドライブ好きな夫婦にとってこれらのクルマには一定の需要がある。しかしレクサスや日産の縦置きエンジンモデルは、欧州排ガス規制どころか、国土交通省の燃費基準値(令和12年=2030年)の達成も困難な状況だ。LCやISのHEVモデルでも2030年基準値を全く突破できていない。つまり5年後には廃止か、フルモデルチェンジがあるならば新開発ユニットが必須になる。
シビックe:HEVはすでに2030年基準をクリアしており、プレリュードもちょっと改良すれば達成できる水準である。HEVではないガソリンエンジン車は5年以内に新車販売が無くなっていくことが予想される。MT車は中古車市場でプレミア価格で取引されるようになるだろう。前述した4ブランドがHEV、PHEV、BEVで走りが楽しいクルマ作りができなければ、趣味の自動車を保有する人はどんどん減っていくことになりそうだ。重い十字架を背負った新型プレリュードの開発者は素晴らしい仕事をしたと思う。
後記
最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年9月30日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。