「カーライフ」は死語なのか!?
18歳で免許を取得して、健康寿命の平均とされる75歳まで50年以上カーライフを楽しむ期間がある。30歳くらいまでは、若さゆえにどんなクルマでも似合って満足できるけど、クルマ所有に十分な財力が伴っていないので、残クレなど利用する人が多い。40歳くらいになると1人で考える時間や都会を離れQOL上昇という意味でカーライフの価値は上がるが、クルマの価値を冷静に見定めるようになり、クルマ選びの幅が狭くなる。
50歳、60歳と年齢を重ねると、さらに違った価値観によるカーライフが開けてくるのだろう。バブル期には、それぞれユーザーの年代に合ったクルマを用意するため多くのモデルは発売されたが、団塊世代のほとんどが75歳を超えた現在では、そのようなビジネスモデルは完全に過去のものになった。10年くらい前の日産ノートのコンセプトは「どんな未来も載せられる」だった。4m超の旧Cセグサイズに拡大されたボデーとe-POWERの未来的な走りがあれば、この1台でカーライフは完結するという意味だ。
一方でMAZDAも10年ほど前に、20〜30歳アクセラ、40〜50歳CX-8、60歳デミオ、CX-3といった年代別ターゲットを示したが、逆に個々のモデルに特定のイメージが付いてしまい販売に逆効果となり、年齢層不問のCX-5のみが販売を支える事態になった。日産やMAZDAが稚拙なマーケティングで不興を買っていたころ、トヨタは次世代に向けてカローラ4車種、クラウン4車種の「ユーザーに選ばせる戦略」を遂行していたわけだ。
良いクルマを作るけどマーケティングが的外れな日産とMAZDAに対して、クルマ作りは妥協の「80%主義」だけど、マーケティングは鋭いトヨタ。この3社が市場環境の変化に危機を感じて「大同団結」すれば、お互いに足りないものを補完し合うことで、素晴らしいクルマがたくさん生まれてくるだろう。日本の政治も新しい局面を迎えたのだから、自動車産業も生まれ変わってはどうだろうか!?それでは「欲しいクルマが少ないブランド・ワースト5」で現状の日本メーカーに苦言を申し上げたい。