経済戦争時代に突入
中国は国内のBEV率を戦略的に挙げていて、VWなどの外国ブランドも中国市場では2030年までにBEV率50%という目標を掲げている。どこのメーカーであれ中国国内生産なので、BEV生産のスケールメリットは高まる。また自動車、半導体、バッテリー産業への政府投資も総額で100兆円規模だったりするようで、EUもアメリカ連邦当局も「公正を欠いている」として課税を強化している。その一方でアメリカ、日本、ドイツも国産半導体事業に対して一定の補助を行なっている(北海道のラピダスに岸田政権は1兆円規模の投資をした)。
偏った報道が多過ぎるとしてオールドメディアが批判を浴びる。しかし批判の声がデカいSNSの新右翼インフルエンサーの主張が公正とも思えない。露骨なまでのポジショントーク(揚げ足取り)は、酒場のアホトーク(酩酊状態で成立)とほとんど変わらない。一つだけ確かなことは、偏っていない情報などほとんどないってことだ。トヨタ、MAZDA、ホンダ、スバル、日産・・・どこの開発者のインタビューも「偏見」が詰まっている。
SNSポジショントーク時代も到来
「中国政府が市場原理を大きく歪めている」と主張するのは自由だが、テスラ・モデルYを力づくで撃ち落としたトヨタの強権発動に、アメリカの自動車産業は同じような脅威を感じさせているかもしれない。時価200兆円を超えるテスラが、57兆円程度のトヨタに屈するなんて滑稽だけども、時価総額やGDPでは測れない「生産指数」みたいなものでトヨタの優位が証明されたとも言える。
あくまで投資家向けオールドメディアに過ぎない日本経済新聞が、テスラやBYDを持ち上げ、日本の自動車メーカー全体にシビアな評価を下していても、それを参考に次の愛車を検討するなんてナンセンスだ。また愛車を選ぶ人にレビューを提供する目的のカーメディアが、日経新聞などを名指しで「BEV偏向報道」と批判するが、そもそも両メディアの立ち位置の違いから来る構造的問題だと、そろそろいい加減に気づいて欲しいものだ。