セダンの頂点をあっさり捨てる
ギャランフォルティスをベースに、ランサーエボリューション10というAWDスポーツモデルが作られていたが、セダンの開発放棄によりブランドの看板モデルもその使命を終えてしまうことになる。福野礼一郎さんは、「ランエボ10は、BMWのM3やメルセデスC63AMGなどを圧倒する、歴史的な日本車だ!!」と持ち上げていたけども、モデル継続という判断には至らなかったようだ。開発する側の理屈としては「M3やC63に勝ったところで・・・」といったところかもしれない。それ以上にギャランフォルティスの手詰まり感は明らかだった。再びクルマ作りに情熱を燃やしたい・・・ってことならばSUVに開発資源を集中する選択も理解できるだろうし、前述の内容がどれほど的を射ているかわからないけど、SUVに「開発」における可能性を感じているのは間違いない。
アプローチは真逆!?
三菱がSUVに専念するのは「過当競争からの逃亡」であるかに見えた。しかしMAZDAがこの流れに追従し、結果として2021年3月期において三菱とMAZDAが、日本市場で好調に3ナンバー車の販売台数を伸ばした。2000年代前半に作ったプラットフォーム(ジープやメルセデスも使っている)を使い続ける三菱は、S-AWCなどのソフト面でオリジナリティを出している。一方で新開発シャシーを次々と繰り出すMAZDAはハード面での進化をアピールしている。