競争こそがMAZDAの原動力
MAZDAが世界中の主要市場で堂々と正規販売を行っているグローバルメーカーで居られるのは、それらのスポーツモデルが有名だからではない。現行のMAZDA6、MAZDA3、MAZDA2を形成していたアテンザ、アクセラ、デミオがそれぞれに初代モデルから乗用車市場で「世界の頂点」と評しても違和感がないくらいの破格の成功を収めてきたからだ。そしてフォード傘下から離脱した後も、CX-5が再び初代モデルから異次元の大ヒットを記録して、今ではすっかり世界の最量販レベル(50万台/年クラス)のSUVグループの一員だ。トヨタ、ホンダ、ルノー日産といった巨人メーカーを相手に互角以上に戦っている。スバル・フォレスターも素晴らしい成功を収めているけど、本格的に売れ始めたのは4世代目になってからだ。ちょっとムカつく表現だが、CX-5が初代から大ヒットして先輩であるフォレスターもついでに売れたって感じ。
市場を変えた初代CX-5
どれも似たような設計のSUVの中で、なぜCX-5はすぐに頭角を表したのか!?簡単に言ってしまえば、2012年にCX-5が投入される前までのSUVはレベルが低かったからだ。トヨタ、ホンダ、ルノー日産のどれを見ても、2012年以前に発売されたSUVモデルと、2013年以降に発売されたSUVモデルでは作り込みが数段階上がっているのがわかる。2012年から10年あまりが経過するけども、その間に内外装デザイン、シート素材、静粛性、経済性、エンジンバリエーションなど、全方向的にSUVへの資本投下が凄まじいことになっているのがわかる。ホンダ・ヴェゼルも初代モデルから大ヒットしたけど、2代目では「MAZDAっぽく作ればいいんだろ!!」と開き直った。ちょっと露骨だったので批判めいた意見もあったようだが・・・いやいやその前に発売された現行のトヨタ・ハリアーが価格から内外装デザインからCX-5を強く意識しているわけだから、ホンダだけ批判されるのはおかしい。