全てが変わった第六世代
ロータリー&MZRという2大看板エンジンを廃止して挑んだ「背水の陣」の第六世代を「無難に乗り切った」MAZDAの可能性は一気に広がった。「走り」で評価されていた欧州市場の販売台数が落ちたことは仕方がないけども、代わりにオーストラリアやカナダなどGDP10位前後の「準経済大国」で販売を伸ばした。中国やアメリカに依存せずにフラットなクルマ作りができる世界で唯一の総合自動車メーカーというアドバンテージを存分に使って、天衣無縫に立ち回ったデザインが今まで主戦場ではなかった市場で評価された。日本にも「2012年以降のMAZDAが好き」というファンがユーチューバーとして活躍してたりする。それはそれで良いことだと思うし、決して「にわか」なんて思わない。
10年乗るクルマとなると・・・
魂動デザインが「かっこいい」のはなんとなくわかる。車検を通さずに3年で乗り換える新しいもの好きの人には手が出しやすいのかもしれないが、愛車として10年乗り続けるクルマ選びとなると、第六世代の各モデルは思いの外に響いてこない。10年ディーゼル縛りを想像すると、乗用車の全ラインナップが意外に買いづらい。2.5Lガソリン自然吸気&6速ATは他ブランドのターボやハイブリッドよりも積極的に選びたいユニットではあるけど、第五世代のロータリーやMZRのような武闘派とはちょっと趣が違う。とても良くチューンナップされているけどNDロードスターの1.5Lエンジンも、これで10年楽しめるのか!?は疑問が残る。2LガソリンをチューンナップしたロードスターRFは、唯一の第五世代に匹敵するユニットであるが、イギリスのピュアスポーツカーを思わせるサイズ感では完全に趣味のクルマでしかない。