MAZDAとBMW
ポルシェやMAZDA、BMW、アルファロメオも、これからは個性を発揮しつつ「ファミリーカー」でもどれだけ存在感を出せるかがブランド存続の鍵になる。大手メーカーからのOEM供給は、絶対にファンが許さないだろうし、安易にスライドドア車など出そうものなら、やはりブランドイメージは崩壊してしまう。巨大グループの一部門であるポルシェやアルファロメオは他のブランドの動向を見ながらSUVくらいは用意しているが、独立ブランドであるBMWやMAZDAにとっては「ブランド維持向上」と「ファミリーカー市場攻略」はどちらも欠かせない経営方針になっているため、巨大グループに属するブランドに比べて意欲的なファミリーカー作りが見られる。2シリーズのアクティブツアラー、グランツアラー、グランクーペあるいは、CX-8、MX-30など「ファミリー需要」の多様化に機敏に反応している。
日本のファミリーカーはハイレベル
一方でそれらのモデルは、BMWやMAZDAが一般市場にすり寄った企画だとして厳しい意見をぶつける人もいる。日本メーカーから国内市場向けに多くのファミリーカーが発売されていて、トヨタ・ルーミー(ダイハツ・トール)やスズキ・ソリオ、ホンダ・フリードなど世界に自慢できるほど洗練された空間効率を実現したモデルがいくつもある。ちょっと余計なことを書いてしまうと、これらの国内向けコンパクトファミリーカーが、走りと質感にこだわるMAZDAやBMWの各モデルと比べて決定的に劣っているということはない。MAZDAやBMWが使うトルコンATの発進加速や巡行感が良いという意見もあるけど、街中の発進加速ではCVTモデルの方がスポーティな出足だったりする。