MAZDAやBMWを超えて
メルセデスMLBは、BMWやMAZDAが取り組む「ハイソ・ファミリーカー」路線に、名門ブランドがいよいよ本腰を上げて参入してきたことを予感させる。トヨタ・ハリアーやホンダ・ヴェゼルなど、やっと最近になってCX-5のフォーマットをそのまま借用したスタイルを取り入れつつあるけども、前述のようにMAZDAやBMWのファミリーカーはさらに先に進んでいる。そしてさすがはメルセデスと言うべきか、CX-5のパッケージをパクるのではなく、オリジナリティ溢れるボデースタイルを備えたGLBの投入で、先行するMAZDAとBMWを一気に捉えたようだ。アルファードが制圧していた高級ファミリーカー市場に一矢を報いたCX-8のスマッシュヒットは新しい時代の到来を予感させたけど、その後に続いてきた大本命がメルセデスGLBかもしれない。
メルセデス躍進
「高級ファミリーカー」市場の成熟は、例えばランドローバーやジープが日本市場でのシェアを大きく伸ばしていることからも伺える。両ブランドには手頃な価格帯のものもあるけども、概ね日本の大手メーカーのファミリーカーでは満足できないハイセンスな人々が流れている。そしてGLBが新たな旗手となりメルセデスも2021年5月は大きく躍進し、3ナンバー車販売では、日産(3,694台)を追い越して、レクサス(4,485台)、MAZDA(4,785台)、スバル(4,680台)に肉薄する「4,327台」を売り上げた。従来のメルセデスユーザーからしてみたら、「GLBはメルセデスですらない!!」とか言われちゃいそうなモデルだけど、そんな原理主義なドイツ車好きはこの10年あまりでだいぶ減った印象だ。