VWゴルフの変遷
初代ゴルフは大きなサイドウインドウが特徴のジウジアーロデザインで登場した。明るくて開放的で、かつ機能美溢れるアイコニックなデザインを併せ持つファミリーカーだった。MAZDAが大ブレークを果たした5代目ファミリアも同じような文脈の「明るい」クルマだった。
初代ゴルフも5代目ファミリアも健全なカーライフのためのクルマだったけど、その後に登場したプレリュードは、「明るくて健康的」なデザインを吹き飛ばしてしまうほどの威力を備えた「猥雑なデートカー」という個人主義を強調するようなデザインだった。日中よりも真夜中を彷徨いそうなプレリュードやインテグラの陰鬱な空気感を、現行のVWゴルフやMAZDA3が受け継いている。
どっかの有名ライターが過去に書いていたが、5代目VWゴルフには「ゴルフ・プラス」なる派生モデルが設定された。初代から3代目までいかにも小型車然としたスタイリングだったが、4代目からホイールが大径化され、さらに固いサスも相まってフラットでスポーティなクルマに変化した。5代目にはルーフを85mm上げた「ゴルフ・プラス」が設定され、初代〜3代目の牧歌的な小型車作りへ回顧する部分も見られた。
5代目ゴルフはスペシャルティカー路線がさらに強調された。「ゴルフ・プラス」こそが初代ゴルフの路線を引き継ぐ本物の「ゴルフ」であり、スペシャルティカー化したゴルフは「ゴルフ・マイナス」と呼ぶべきだとか・・・。