「暗い」と「明るい」
現行が8代目となるVWゴルフは、もはや輸入車ナンバー1(日本市場)に返り咲くような雰囲気はない。現実逃避するクルマとしては、相変わらずゴルフGTIが最高だけど、上にも書いたが、もはやクルマに逃げなくても臨床心理士のユーチューブ動画でも見れば無料で健全な心を取り戻せる時代だ。気分転換をするにもクルマよりロードバイクの方が健康的であるし。
「暗い」イメージのVWゴルフに代わって「明るい」印象があるT-CROSSやT-ROCへとVWユーザーは流れているらしい。同じ理由で「暗い」イメージのMAZDA3ファストバックよりも、「明るい」イメージのCX-30やCX-5が選びやすくなっている。ドライビングカーとしての性能は派生SUVモデルよりも圧倒的に優れているのだけど、20年前と違って、今ではクルマにどこか「明るい」未来を期待して買う人が多いのだろう。
ユーザー目線での解釈だと、初代ゴルフの伝統を受け継ぐのはT-CROSS(サイズ的に)で、5代目ファミリアの現代的な解釈がCX-30である。4代目ゴルフからの「高級化&スポーティ」を推進したフェルディナント・ピエヒや、初代から現行までのアクセラ&MAZDA3を進化させ続けたMAZDAの開発陣は、素晴らしいカーガイではあるだろうが、少々マニアック過ぎたかもしれない。
シロッコが消え、アウディTTの終焉がアナウンスされた。SUV派生モデルが拡充されているのだから、VWゴルフはもっとマニアックになってもいいかもしれない。MAZDA3スポーツバックのエクステリアは、すでにリミッターが外れている。年40〜50万台売るクルマではなくなったが、マイノリティーになって存在価値が増す2台だと思う。