世紀の対決
直6ディーゼルエンジンが大きな話題を集めているMAZDA・CX-60は、時代に逆行しているとか言われていたけども、販売は好調でとりあえず大人気なようだ。ちょうどMAZDAと同じ時期に直6ディーゼルを新規開発したメーカーが海外にもあるくらいだから、決してカーメディアが言うようなガラパゴスではない。ジャガー&ランドローバーは、MAZDAの3.3Lより排気量は小さめの3Lながらも、CX-60の約3倍の価格の新型レンジローバーを発売した。
イギリスを代表する高級SUVレンジローバーと、新たな日本代表となるCX-60が2022年に同時に登場した。当然のことだけど注目度の高い両車はどちらも2022-2023の日本カーオブザイヤーの10ベストカーに選ばれている。まさか日本COTYが「世界の頂点」を決めるイベントになるとは思わなかった。トヨタと日産のフラッグシップSUVも選ばれているので、集計結果は「レンジローバー VS CX-60」の一騎打ちとはならないだろうが・・・。
スーパーSUV
イギリスと日本それぞれの「自動車産業の結晶」と言っていい両モデルであり、どちらもエンジン車ながらも堂々とBEVと対峙し、ラグジュアリーSUV市場を勝ち抜く為の資質を十分に備えている・・・私のようなごくごく一般的なクルマ好きはそう感じていると思う。両陣営とも大手メーカーが邁進する「合理主義」とは一線を画し、個性的なモデルを作ることへの飽くなき渇望がよくわかる。
クルマ好きの世界観とは、環境面から考えれば、しばしば「ディストピア」かもしれない(EV強制社会の方がよっぽど危険だけど・・・)。このご時世に6気筒エンジンを非効率なFRシャシーに搭載したところで、社会全体で喜ぶ人はコアなクルマ好き(ごくわずか)だけであり、つまるところ、レンジローバーもCX-60もフェラーリやランボルギーニのスーパーカーみたいなものだと言える。