質感で売る
燃費30km/Lくらいも走ってしまうHVと、272psのGRの両極端な2グレードモデルで、ヤリスの宣伝は抜群によくできている。フィット、ノート、MAZDA2と真面目に比べればトヨタらしいコスト配分の凄まじい割り切りであることはわかるのだけど、Bセグに上級セグメント並みの素材感とかそもそも必要なのか!?という人も多いし、レンタカー需要には全く関係ない部分とすら言える。
ホンダ、日産、MAZDAのBセグ(日本導入モデル)におけるプライオリティは、日本&欧州市場における「ブランド入門車」なのだろう。機能性と質感によってユーザーをうまく誘引していて、販売網の少なさをものともせずにそれぞれにシェアを勝ち取っている。上級セグメントの価値をBセグで体感させることで、今後も「快適なクルマ」に多めのお金を払うことはとても合理的だと納得させる役割を持たせている。
オンリーワンの魅力
MAZDA2に関しては一部のグレードには日本メーカーのBセグでは異例のパワーシートが装備されている。トヨタに牛耳られているAJAJの連中はそんなことを書き立てることもなく、2014年のデビュー当初からややディスり気味のレビューが多かったように記憶している。MAZDAのメディア向けプレゼンが「ドライビングポジションがあーだこーだ」と抹香臭かったことで、一部の頑固なライターにはかなり癪に触ったらしい。
実際のところMAZDA2をどれだけ豪華に仕立てたところで、これと同型のクルマが日本中の観光地でレンタカーとして使われていることもまた事実だ。Bセグなのにカローラにも設定されていないパワーシートがあり、ガソリンもディーゼルも軽量なボデーには十分な性能を持っているので、走っていてとても楽しい。レンタカーモデルというネックがなければ・・・。